男主人公が私(モブ令嬢)の作る香水に食いつきました

「どうして私がコーデリア公爵様を避けていたか、ご存じですか?」

 キールに迫られてピンチだったところを、レオンに助けてもらった。あれももう遠い昔のことのように思えてならない。

「私はレオン様に出会う前、香水事業を自身で立ち上げたばかりの時、なるべく事業拡大になるように人脈を広げるように、パーティには参加しておりましたーーただし、コーデリア公爵様がいない場というのを選んで」

 ーーそういえば、キールはあの後どうなったの?
 殺されそうになっておきながら、今の今まで忘れていたのは、あのゲス野郎を忘れたいと思っていた私の深層心理から来るものだろうか。
 夢だったのか、生と死の狭間だったのかは分からないけれど、そんな中でもあいつに激昂していたくせに、本当に良い性格をしているなと思う。
 ーーこうして私は、レオンの事もさっさと忘れる日が来るんだろうか。

「私には視えたのです。コーデリア公爵様に関わることで、私が死ぬ未来を」

 キールに恋をして、自殺するという事は言わないでおいた。
 そもそも私は自殺などするつもりはなかったし、実際に奴に恋もしていない。
 話がややこしくならないように、そこはカットしたけれど、嘘も言っていない。