男主人公が私(モブ令嬢)の作る香水に食いつきました

「……どうして私の感情を、あなたが決めるのですか?」

 どうして?
 だって私は知ってるもの。
 あなたのその感情は、私が作り上げたものだもの。

「あなたに私の運命を語る資格はないはずです」

 いいえ、あるわ。だってこの世界は私が作り上げた世界で、あなたはその中のキャラクターだもの。

「この感情は私のもので、あなたのものではないでしょう」
「……そうですね」

 それは、レオンの言い分が正しい。けれど、それ以外は全て間違っている。

「だけど残念なことに、私には分かるのです。あなたの本当の気持ちが。視えると言っても良いのかもしれませんね」

 本当に残念なことだと自分でも思う。
 何も知らなければ、むしろ前世のことなど何も覚えていなければ、私は喜んでレオンの言葉を鵜呑みにし、彼の申し出を受け入れていたというのに。
 それが出来ないのは、私が事実を知っているからに他ならないのだから……。

「リーチェ、あなたは一介の令嬢です。全知全能だと言われる神でも、この世界を作り上げた創造主でもない」

 その言葉に、私は思わず鼻で笑ってしまった。
 レオンが否定したい気持ちは分かるし、彼は何も知らない。
 本当の私が誰なのか知らない。
 だからそんな事を言うのももっともな話だけれど、私はまさしくこの世界を作り上げた創造主だ。