男主人公が私(モブ令嬢)の作る香水に食いつきました

 私はずっと、もつれた糸を解こうとしていた。
 解いて解いて、その先は私とレオンが繋がっているかもしれないという未来を、どこかで期待していたから。

 けれどもつれた糸を解いたところで、結果は同じ。
 もっといえば、その糸は元々もつれていたわけではなかったのかもしれない。

 私が勝手にもつれていると思い、解こうとしていたけれど、解いた先はーープツンと切れた糸が二つ。
 それはもつれていたのではなく、結んで繋がっていただけ。私とレオンはきっとそれだ。

 例えばそれを運命の赤い糸だとしよう。
 私はレオンと偶然、何かの因果で繋がった。
 けれどそれは繋がったといっても、二本の糸を結んで一本にされていただけ。
 繋がりというよりも、結んで一緒くたになっていただけ。

 赤い糸で繋がる相手が運命の人だというのであれば、これはとても歪な運命だ。
 だからそれはきっと、私が解かずとも勝手に(ほど)けていただろう。
 そして彼の運命は、正しい方向へと向かい始める。
 私への恋や愛などというものは、初めから存在などしなかったとでもいうように。

 今度こそ偽りの関係を終わらせて、晴れてレオンはマリーゴールドと一緒になれる。