「それは……」
「リーチェ、あなたが私を好きではないと言うのなら、やはり私はあなたには他に好きな人がいて、その人のために私を利用しようとしているように思うしかありません」
なぜそんな風に思うのか。なぜそんな風に言われないといけないのか。
至近距離で香る、レオンの香り。甘いようでスッとした爽やかさも感じる香り。
けれどそれはーーあの、私が作った媚薬香水とは違うもの。
「そのセリフはあなたにお返しします、侯爵様」
「リーチェ、また私の名をお忘れですか?」
ため息をこぼした彼を見て、ギュッと心臓が縮み上がる。けれど私はそんなレオンをまっすぐ見つめて、挑むようにこう言った。
「侯爵様。あなたこそ本当は、マリー様をお慕いしていらしゃいますよね?」
レオンは驚いたように、目のサイズを二倍にまで引き上げた。
なんて表情を見せるのか。私が全くなんにも気づいていないと、本当に思っていたの?
冷や水をかけられたように、高まっていた熱がスッと下がった気がした。
「慕う? 私が、クレイマス令嬢を?」
レオンはそう言った後、考え込むように顔を背けた。私とレオンを繋いでいた片手を離し、口元を抑えながら。
……なに? 無自覚だったってこと?
ズキリと胸の奥が軋む。
私は彼にきっかけを与えたのだろうか。そう思ったところで、首を振ってその考えを押し戻す。
彼が無自覚だったとしても、私が気づくきっかけを与えたとしても。結局結果は同じだ。それが先延ばしになるか、早まるかだけの違いだ。
「リーチェ、あなたが私を好きではないと言うのなら、やはり私はあなたには他に好きな人がいて、その人のために私を利用しようとしているように思うしかありません」
なぜそんな風に思うのか。なぜそんな風に言われないといけないのか。
至近距離で香る、レオンの香り。甘いようでスッとした爽やかさも感じる香り。
けれどそれはーーあの、私が作った媚薬香水とは違うもの。
「そのセリフはあなたにお返しします、侯爵様」
「リーチェ、また私の名をお忘れですか?」
ため息をこぼした彼を見て、ギュッと心臓が縮み上がる。けれど私はそんなレオンをまっすぐ見つめて、挑むようにこう言った。
「侯爵様。あなたこそ本当は、マリー様をお慕いしていらしゃいますよね?」
レオンは驚いたように、目のサイズを二倍にまで引き上げた。
なんて表情を見せるのか。私が全くなんにも気づいていないと、本当に思っていたの?
冷や水をかけられたように、高まっていた熱がスッと下がった気がした。
「慕う? 私が、クレイマス令嬢を?」
レオンはそう言った後、考え込むように顔を背けた。私とレオンを繋いでいた片手を離し、口元を抑えながら。
……なに? 無自覚だったってこと?
ズキリと胸の奥が軋む。
私は彼にきっかけを与えたのだろうか。そう思ったところで、首を振ってその考えを押し戻す。
彼が無自覚だったとしても、私が気づくきっかけを与えたとしても。結局結果は同じだ。それが先延ばしになるか、早まるかだけの違いだ。



