「や、やめて……」
やっと出た声が、全くもって自分の声だとは思えない。それほどか細く、震えていた。
「今さら遅い。俺が受けた辱めを、お前もその身で感じるがいい」
急にさっきまで手放していた痛みと恐怖がどっと押し寄せてくる。体の震えが止まらない。逃げようにも、キールの手は力強く抜け出せない。
そもそも恐怖心が、その手を振り払う勇気をそぎ落としていく。
――助けて……!
そんな風に思いながら、瞳にあふれた涙が頬を伝った瞬間だった。
「お前がそれを言うな」
その声と共に、キールは突然突風に吹き飛ばされたように私の視界から九時の方向へと吹き飛び、それに引っ張られないように私の腰には力強い手が巻き付いた。
「……リーチェ、遅れてすみませんでした」
一瞬何が起きたのか分からなくて呆気にとられていたけれど、私の腰に手を回しているのが誰の手で、囁くように言った言葉がどんな人物なのか、すぐに悟った。
「もう大丈夫です」
吹き飛んだキールをゴミのように見つめながら、私をギュッと抱き寄せたのは、この物語の男主人公。
そして私のヒーローでもある、レオンだった。
やっと出た声が、全くもって自分の声だとは思えない。それほどか細く、震えていた。
「今さら遅い。俺が受けた辱めを、お前もその身で感じるがいい」
急にさっきまで手放していた痛みと恐怖がどっと押し寄せてくる。体の震えが止まらない。逃げようにも、キールの手は力強く抜け出せない。
そもそも恐怖心が、その手を振り払う勇気をそぎ落としていく。
――助けて……!
そんな風に思いながら、瞳にあふれた涙が頬を伝った瞬間だった。
「お前がそれを言うな」
その声と共に、キールは突然突風に吹き飛ばされたように私の視界から九時の方向へと吹き飛び、それに引っ張られないように私の腰には力強い手が巻き付いた。
「……リーチェ、遅れてすみませんでした」
一瞬何が起きたのか分からなくて呆気にとられていたけれど、私の腰に手を回しているのが誰の手で、囁くように言った言葉がどんな人物なのか、すぐに悟った。
「もう大丈夫です」
吹き飛んだキールをゴミのように見つめながら、私をギュッと抱き寄せたのは、この物語の男主人公。
そして私のヒーローでもある、レオンだった。



