ガウンペチコートの切れ込みからポケットに手を忍ばせ、その中から遮光瓶を取り出す。
「こちらの精油をお使い下さい。中はペパーミントですので、スッとした香りで気分が楽になるはずですよ」
「あっ、あの、私は……」
「一度蓋を開けて下さいませんか? いくつか瓶を持っているもので、これが正しいものか確認したいのですが、あいにく私の片手は誰かさんに掴まれたままなので使えそうにありません」
本当は今日、これ以外に精油は持っていない。
ポケットから取り出す時、蓋に付けていた精油の名前を書いたラベルは指で剝がしておいた。
マリーゴールドは私の気迫に気圧されて、おずおずと精油瓶の蓋を開ける。
戸惑っているマリーゴールドの様子は無視して、さらにこう言った。
「中蓋も外してみて下さい。体調不良の時はたくさん嗅いでみるのがいいと思いますので」
「わっ、分かりました」
本当にマリーゴールドが体調悪いとは思っていない。けれど私の手は不自由だから仕方がない。マリーゴールドの助けが今は必要だった。
「……どうやらこれは、ペパーミントで間違いないようです」
「そうですか。では」
そう言いながらすかさずマリーゴールドから瓶を奪い取り、その中身をそのままキールの目に向けてぶっかけた。
「がぁっ!」
「今よ! 走って‼」
キールがひるんだ隙にこいつの手を振り払い、マリーゴールドの手首を掴んで駆け出した。
「こちらの精油をお使い下さい。中はペパーミントですので、スッとした香りで気分が楽になるはずですよ」
「あっ、あの、私は……」
「一度蓋を開けて下さいませんか? いくつか瓶を持っているもので、これが正しいものか確認したいのですが、あいにく私の片手は誰かさんに掴まれたままなので使えそうにありません」
本当は今日、これ以外に精油は持っていない。
ポケットから取り出す時、蓋に付けていた精油の名前を書いたラベルは指で剝がしておいた。
マリーゴールドは私の気迫に気圧されて、おずおずと精油瓶の蓋を開ける。
戸惑っているマリーゴールドの様子は無視して、さらにこう言った。
「中蓋も外してみて下さい。体調不良の時はたくさん嗅いでみるのがいいと思いますので」
「わっ、分かりました」
本当にマリーゴールドが体調悪いとは思っていない。けれど私の手は不自由だから仕方がない。マリーゴールドの助けが今は必要だった。
「……どうやらこれは、ペパーミントで間違いないようです」
「そうですか。では」
そう言いながらすかさずマリーゴールドから瓶を奪い取り、その中身をそのままキールの目に向けてぶっかけた。
「がぁっ!」
「今よ! 走って‼」
キールがひるんだ隙にこいつの手を振り払い、マリーゴールドの手首を掴んで駆け出した。



