――ということで。
「失礼します」
レイくんと私は、次に出るNeyBeのために撮影にやってきた。
いやあもう、レイくんと会ったときの雨宮さん、すごかった。
テレビでやってたから知ってはいたけどこう、現実で実際に目にするとすごい、って。
いやわかるよ。生きてるレイくんの破壊力は凄まじい。
いまだに、こんなにかっこよくて優しいレイくんが私の目の前で「好き」って言ってくれることに驚きを隠せないもん。
レイくんはまさしく神様から天上の美というやつをもらって生まれてきた人間だ。
だからこそ、私はつくづくラッキーなんだなあ、なんて思ってしまう。
それはともかく、私とレイくんは一旦離れて、私は衣装をもらって着替えをした。
「……これで、いいんでしょうか…」
「んー!やっぱりこれもすっっっっっっごく似合ってるわ!!」
「ど、どうも…」
テーマはオフィスラブ、らしくて。
私の衣装は一見ごく普通のワイシャツと、タイトスカートと、ネクタイ。
私も着るまで何も問題ないと思っていた。
…そして今は、そう思っていた呑気な3分前の私を恨む………。
「あの、雨宮さん」
「ほんっとに!似合ってるわ!」
「あめ」
「似合ってるわ!!!」
「スカート……」
「スタジオ!!行きましょうか!!」
くう、問答無用…。
そう、問題があるのはスカート。
くっっっっっっっそ短い。
飛び蹴りなんてしようものならパンツは丸見えだ。いやそれは飛び蹴りが悪いだけか……。
ともかく。
恥ずかしくて仕方がない。こんなに短いとは思わなかった。
いつも動きやすい服を好んで着る私にとっては慣れないの一言だ。
「結野 果音さん入りまーっす!」
雨宮さんに背中を押して入れば、スタジオにはもう、レイくんはいた。
っ、え……⁉︎
「果音…」
レイくんも、私と同じように目を見開いていた。
私も目を丸くしてしまう。
だ、だだだって、レイくんのスーツ姿…!
色気ダダ漏れ、大人っぽさレベルマックス。
溢れ出る有能上司感にオールバックの前髪、少し捲った袖から見える腕時計。
すべてが、最&高……!
「果音、やっぱりめっちゃかわいい」
「ふあっ⁉︎」
感動に打ち震えていると、レイくんががばっと抱きついてきた。
私の肩あたりに顔を埋めて、一向に動こうとしない。
「はー……これ不特定多数のスタッフに見せるとか。果音は俺の果音なのに」
「レイくん……」
嬉しいけど、恥ずかしいよ。
「……まあでも、それだったら余計見せつけないとね」
レイくんは私を熱い瞳で見つめながら微笑んで見せた。
うっ!この笑顔、かっこいいけど、かっこすぎて死んじゃう……!
「は、果音、顔真っ赤だね」
する、とレイくんの手が私の頬を滑る。
優しい手つきと優しい声に、頭がパンクしそうだ。
「あ、あの!誰のせいだと!」
「俺」
「大正解!!!!」



