彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません



 大学時代のグループ。

 卒業してからも、たまに連絡を取り合っているメンバーだ。

 その中の一人の名前で、指が止まる。

 大学の頃、何でも話していた親友。

 ……もしかして。

 胸の奥が、どくんと大きく跳ねた。

 もし、本当に何かあるなら、絶対に知っているはず。

 知りたい。
 でも、聞くのが怖い。

 私の中にあるモヤのかかったこの空白。

 もし、本当に私の知らない何かがあったら――。

 スマホを握ったまま、しばらく動けなかった。

 けれど、やがてゆっくりと息を吐く。

 このまま何も知らないままでいるなんて、きっと耐えられない。

 震える指で、メッセージの画面を開いた。

 何度も書き直して、消して、また打って。やっと短い文章を送る。

 ――急にごめん。
 ちょっと聞きたいことがあるんだけど、会えないかな?

 送信ボタンを押した瞬間、胸の奥がぎゅっと締めつけられた。

 既読がつくのを、画面を見つめたままじっと待ってしまう。

 これを聞いたら、私はどうなってしまうんだろう。

 まだ何も聞いていないのに、スマホを握る手に伝わるほど、心臓は早鐘を打っていた。

 胸の奥に、小さな嵐が生まれかけているみたいに。