彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません


 いつも通り爽やかな先生が、少しだけ声を落として言った。

 「食堂で見かけたよ」

 「え?」

 思わず聞き返すと、先生は視線を私から外し、白衣のポケットに手を入れる。

 「重田くん、だっけ?一緒にご飯食べてたでしょ」

 「はい……」

 それがどうしたんだろう。

 「仲いいんだ?」

 「はい、大学からの友だちで、同期なんです」

 そう答えた私を先生はじっと見つめる。

 「なんか……妬けるな」

 「え?」

 今……やけるって……妬ける?
 嫉妬の……?先生が?わたしに……?

 一拍置いて、先生が小さく息を吐いた。

 「俺さ」

 「……?」

 「吉岡さんが誰と飯食おうが、別に口出す立場じゃないのは分かってる」

 そう前置きしてから、困ったように笑う。

 「でも、ちょっと嫌だった」

 その一言に、心臓が跳ねた。