彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません


 「ここいい?」

 「うん。おつかれ」

 「おつかれ。午後は落ち着きそう?」

 トレイをテーブルに置き、椅子を引いてしげぴーが目の前に座った。

 「午後は大丈夫そうだよ。しげぴーは?」

 「俺も午前中で大体は終わったかな。あとは記録とか午後の処置だけ」

 「そっか、じゃあ定時で帰れそうだね」

 いつものように仕事の話をしながら、お互いにご飯を食べすすめていた。

 「あのさ、吉岡」

 「ん?」

 さっきまでのしげぴーと少しだけ雰囲気が変わり、なにやら言いにくそうに口を開く。

 「あのあと……あいつとは連絡とってんの?」

 「え?……あ、」

 一瞬誰のことを言っているのかわからなかったけど、最近しげぴーが「あいつ」呼ばわりしたのは、瀬名先生だと思い出した。

 「うーん、とったりとらなかったり、かな」

 昨日デートしたことは、言わない方がいい気がして答えを濁した。

 「え、連絡とってんの?」

 「ん……たまに、ね」

 しげぴーが驚きと落胆が混じったような表情を浮かべている。

 やっぱり、いい気はしないよね。
 しげぴーは相変わらず瀬名先生のことが嫌いだ。

 私の返答を聞いたあと、少し思い詰めたような顔になった。

 私はなんだか居た堪れなくなり、話題を変えた。