彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません


 「あっ……」

 先生の手に、じわじわと溶かされていく。

 「可愛い」

 掠れた声が耳元に落ちる。

 「もっと、声聞かせて」

 「んっ……せんせ……」

 「違うでしょ」

 低く囁かれて、息が止まる。

 「名前、呼んで」

 熱を帯びた瞳に見つめられて、胸が苦しくなる。

 「……み、瑞貴さん……」

 名前を呼んだ瞬間、先生の表情が崩れた。

 そのまま、ゆっくりと重なる。

 最初は優しく。

 確かめるように。

 何度も名前を呼ばれて、何度もキスをした。

 そのたびに、あの日ここで傷ついた私が、少しずつほどけていく気がした。

 ただ、嬉しかった。

 こんなにも大切にされていることが。

 こんなにも求められていることが。

 涙が滲むと、先生は何度も優しく拭ってくれる。

 「大丈夫?」

 余裕のない吐息混じりの声に、私は小さく頷いた。

 「……大丈夫です」

 息を整えながら、先生の頬にそっと触れる。

 「瑞貴さん……大好きです」

 その瞬間、先生の目が細くなる。

 「……ほんとに、君は」

 低く呟いて、もう一度強く抱きしめられた。