彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません


 「私も、明日退院なの」

 「明日ですか。おめでとうございます」

 自然と笑みがこぼれる。

 「ありがとう。本当に皆さんのおかげさまで」

 少しだけ空を見上げて、穏やかに続ける。

 「吉岡さんにも出会えて、本当によかったわ」

 その言葉に、胸がじんと熱くなる。

 「あなたに救われる患者さんは、きっとこれからもたくさんいるわね」

 まっすぐに向けられた視線に、思わず息をのむ。

 「……そんなこと、ないです」

 小さく否定しながらも、心の奥があたたかく満たされていく。

 「いいのよ、謙遜しなくて」

 やわらかく笑ってから、

 「これからも、そのままでいてね」

 と、優しく言った。

 「……はい。ありがとうございます」