「……どこ行くの」
低く、少し掠れた声。
びくっと身体が固まる。
いつの間にか、腕を引かれていた。
「起きて……たんですか」
「さっきね」
目を開けた先生が、少しだけ笑う。
そのまま、ぐっと距離を詰められる。
「まだ、早いよ」
耳元で囁かれて、心臓が一気に跳ねた。
「……っ」
さらに抱き寄せられれ、背中に回された腕が、逃げ道を塞ぐ。
「もう少し、このまま」
優しく落ちた声に、抵抗する気力がなくなる。
そのまま、そっと身を委ねた。
規則的な鼓動が、すぐ近くで響いている。
どちらのものかわからないくらい、重なって。
「……ひより」


