夜の誰もいないムーン・シャドウは、
文乃にとって2回目だった。

「それじゃあ、読みましょうか」

月影くんと一緒に選んだ本、
『夢のあと』を開く。

文乃の金の栞と、月影くんの銀の栞が、
テーブルにおかれ、
仲良く並んでいるのを見た月影くんが

「やっぱり、松下さんと
おそろい、嬉しいです」

と可愛らしいことを言う。