雫宮と出会ったとき、涙悪は殺夜と一緒にいたが、殺夜のグループには入っていなかった。
                                                              
両親が亡くなってすぐは、真面目に勉強をしていた。
                                                            
夜、ノートを買いにコンビニに行ったところ、コンビニの前で戯れていた不良(ヤンキー)に絡まれた。          
                                                            
適当に返事をしたところ、キレられ、殴り掛かられたところを全員吹っ飛ばしたらそれを見ていた殺夜に頼まれた。
                                                              
『今から一緒に倒してほしい相手がいる』と。
                                                             
まだ人を想う気持ちがあったその時の涙悪は、OKしてしまった。
                                                                
結果は惨敗。
                                                                
いくら強い人間が集まったとしても、数人大人がいても、相手は全員大人だ。
                                                                   
まっ正面からぶつかって勝てるはずがない。
                                                                  
殺夜たちは少し頑張って歩いたが、傷が痛んで座り込んでしまった。
                                                                          
そこに現れたのが、雫宮である。
                                                               
冷たい見た目をしながら、雫宮は無言で丁寧に全員分の手当てをした。
                                                                  
途中で隙を見て襲ってきたほかの大人軍団も、見事な技で撃退していった。
                                                                    
しばらくして雫宮は帰っていったが、殺夜が雫宮を追いかけていった。
                                                                
一番傷が深いんだから安静にしていないとと注意され、素直にうなずきながら自分のグループに雫宮を誘う殺夜。
                                                                 
強いからという理由もあるが、殺夜がその強さに魅了されたというのが1番の理由だった。
                                                                 
涙悪は後日、殺夜から連絡を受けた。
                                                              
『あの少女が俺のグループに入ってくれた。お前もどうだ』と。
                                                                  
涙悪は年の離れた妹のことを考えて悩んだが、妹よりも雫宮を優先したかった。
                                                                   
それから喧嘩に没頭した涙悪は人を想う感情を失い・・・。
                                                               
雫宮関連で暴走することもしばしば。
                                                                
夜に雫宮が会いに来ると考えると、家に帰りたくても帰れない・・・いや。
                                                                
家には絶対帰らないと思ってしまうのだった。