あれから義兄たちとの距離は縮まり、一緒にどこかに出かけたり。
雲母とももっと仲良くなってたまに勉強会をしたり。
そんな時だった。
「お嬢様、旦那様がお帰りになったそうです。お嬢様にお会いしたいと」
部屋の外から男の人の声がする。
私がよくお世話になっている執事の螺翔の声だ。
「・・・わかった。・・・あの和室?」
「はい。少しの話で済むというコトです」
螺翔はそう言って部屋の前を去った・・・んだと思う。
部屋を出ると、やっぱり螺翔はいない。
そのまま右に曲がる、と・・・。
「・・・お嬢様、一緒に行きましょう」
やっぱりいた。
「螺翔、驚かせないで」
「とは言ってもお嬢様は驚いてないじゃないですか」
「・・・まぁね」
別に隠れてくれるのはいい。
だって私も気配を探る練習になるから。
「さて、行きましょうか。私の主は旦那様。主を待たせるわけにはいきません」
あぁ、当主様が待ってるんだっけ。
「・・・」
私は無言で螺翔について行き、1つの大きな和室に入った。
「あぁ、雫宮。来てくれたんだね」
貴方が呼んだからでしょう、という言葉は口には出さない。
「さぁ、座っていいよ」
当主様に言われるまま畳に正座をする。
「今日は息子の中で誰が一番跡継ぎに向いてるかを聞きたいなぁって思ってね」
「なるほど。それは全員のコトを話せばいいんでしょうか」
「うん。雫宮から見てのコトだから遠慮はしないで」
当主様は、私が皐月家の一員になってから一度も会っていない。
だから随分と久しぶりに会う。
「伊毬は・・・ちょっと当主様に似てますね。でもやっぱり違うトコロがあります。当主様は柔らかな物腰とは裏腹に腹の中ですべて計算しているでしょう。伊毬の場合は善意から動いている感じなので傘下の会社に流されそうですね。
朔冴はまず人とのかかわりを持とうとしない。皐月家の跡取りになるんだったらコネくらいは最低限必要だと考えます。もう少しだけでも人と関わろうという姿勢になればまだいいかと。
皇逢は大丈夫だと思いますよ。基本的に無口ですが引率力はある。当主様と同じくちゃんと計算しているでしょうし、今のところだと一番条件に合うと思います。
鈴蘭は女性関係が心配ですね。あの人がなにをしようと口をはさむ気はありませんが、跡取りとしては不十分では?本人としては情報源だと思っているみたいですが、女性側はそう言えるか。
最後は葦零。もう少し考えた発言と行動をしてほしいといつも思っています。煽ってぼろを出させるのが彼のやり方なのでしょうが、限度があるコトと自分がホントに結果を対処できるのか、よく考えてほしい」
一気に言い切ると、当主様は面白そうに目を細める。
「じゃあ、雫宮から見れば皇逢が一番いいと」
「はい。鈴蘭は女性関係を改めれば申し分ないかと」
これ、事実。
大企業の社長が女遊びをしている想われるかもしれない。
身内──義理──としてそれは避けたい。
私の為、ではあるけども。
「ありがとう。雫宮のコトだからなんとなく勘付いてるとは思うけど・・・まぁ、僕が当主だから決めさせてもらう」
「それは当主様のお好きになさればいいかと」
なんだか私が下に出てるような気がするんだけど・・・まぁいいか。
この人は私の義父ではあるけどその前に皐月家の当主様だ。
「ふふ、雫宮が養子に来てくれてよかったよ。皐月家の次代も安泰だ。その次の代も雫宮の子供だったらきっと大丈夫だね」
そう、だろうか。
私に子供ができたとして、人間不信にならないか心配だけど・・・いや、どちらかというと人間不信の親を嫌うかだな。
「そうだ、雫宮の結婚相手についてだけど・・・」
・・・あぁ、この人は当主だった。
さっきもう一度自分に言い聞かせてたのに忘れてた。
皐月家の未来を考える当主様だ。
私がろくでもない人間と結婚しないか心配なんだろう。
勿論その心配は私の心配ではなく、皐月家の心配。
それはそうだろうけど・・・私は当主様会うのまだ2回目だし。
「ちゃんと僕がいい人を決めるか安心してね。そろそろ事実上の婚約をしようと思ってるんだ。さすがにこの年で法律上とか無理だし。っていうか法律で婚約ってあるのかな?結婚だけだったっけ」
独り言をぶつぶつと呟く当主様の前で私は静かに正座をしたまま。
虐待みたいになってるけど、別に構わない。
正座とか慣れてるし。
私はヴィラーナのメンバーとして、潜入をしたコトもある。
その時は華道顔立ちは当主様にですしの家の侍女として潜入してたから正座には慣れたものだ。
「ホントにありがとね、雫宮。時間を削ってしまった代わりになにか訊きたいことはある?できるだけ答えるよ」
当主様はニッコリと笑って首をかしげる。
その姿は毬兄と重なったけど、やっぱりどこか違う気がした。
「じゃあ・・・」
私は遠慮なく質問をするコトに決める。
「義兄たちの髪や瞳の色が全員違うのは何故でしょう?誰も当主様の色は引き継いでいませんが顔立ちは当主様似ですし。だとしたらやっぱり違和感が残りますよね」
義兄は誰一人同じ色彩をしていない。
それはなんでなのか、かんとなく予想は着くけどやっぱり確信は持てなくて。
「・・・切り込んでくるねぇ」
当主様は怒っているようには見えない。
ただ、私の質問に困ったように笑いながら・・・。
どこか、気づいた私に嬉しそうな瞳をしていた。
「説明しようか」
当主様は教えてくれるのか、少し力を抜く仕草を取る。
そして、静かに話し始めた。
雲母とももっと仲良くなってたまに勉強会をしたり。
そんな時だった。
「お嬢様、旦那様がお帰りになったそうです。お嬢様にお会いしたいと」
部屋の外から男の人の声がする。
私がよくお世話になっている執事の螺翔の声だ。
「・・・わかった。・・・あの和室?」
「はい。少しの話で済むというコトです」
螺翔はそう言って部屋の前を去った・・・んだと思う。
部屋を出ると、やっぱり螺翔はいない。
そのまま右に曲がる、と・・・。
「・・・お嬢様、一緒に行きましょう」
やっぱりいた。
「螺翔、驚かせないで」
「とは言ってもお嬢様は驚いてないじゃないですか」
「・・・まぁね」
別に隠れてくれるのはいい。
だって私も気配を探る練習になるから。
「さて、行きましょうか。私の主は旦那様。主を待たせるわけにはいきません」
あぁ、当主様が待ってるんだっけ。
「・・・」
私は無言で螺翔について行き、1つの大きな和室に入った。
「あぁ、雫宮。来てくれたんだね」
貴方が呼んだからでしょう、という言葉は口には出さない。
「さぁ、座っていいよ」
当主様に言われるまま畳に正座をする。
「今日は息子の中で誰が一番跡継ぎに向いてるかを聞きたいなぁって思ってね」
「なるほど。それは全員のコトを話せばいいんでしょうか」
「うん。雫宮から見てのコトだから遠慮はしないで」
当主様は、私が皐月家の一員になってから一度も会っていない。
だから随分と久しぶりに会う。
「伊毬は・・・ちょっと当主様に似てますね。でもやっぱり違うトコロがあります。当主様は柔らかな物腰とは裏腹に腹の中ですべて計算しているでしょう。伊毬の場合は善意から動いている感じなので傘下の会社に流されそうですね。
朔冴はまず人とのかかわりを持とうとしない。皐月家の跡取りになるんだったらコネくらいは最低限必要だと考えます。もう少しだけでも人と関わろうという姿勢になればまだいいかと。
皇逢は大丈夫だと思いますよ。基本的に無口ですが引率力はある。当主様と同じくちゃんと計算しているでしょうし、今のところだと一番条件に合うと思います。
鈴蘭は女性関係が心配ですね。あの人がなにをしようと口をはさむ気はありませんが、跡取りとしては不十分では?本人としては情報源だと思っているみたいですが、女性側はそう言えるか。
最後は葦零。もう少し考えた発言と行動をしてほしいといつも思っています。煽ってぼろを出させるのが彼のやり方なのでしょうが、限度があるコトと自分がホントに結果を対処できるのか、よく考えてほしい」
一気に言い切ると、当主様は面白そうに目を細める。
「じゃあ、雫宮から見れば皇逢が一番いいと」
「はい。鈴蘭は女性関係を改めれば申し分ないかと」
これ、事実。
大企業の社長が女遊びをしている想われるかもしれない。
身内──義理──としてそれは避けたい。
私の為、ではあるけども。
「ありがとう。雫宮のコトだからなんとなく勘付いてるとは思うけど・・・まぁ、僕が当主だから決めさせてもらう」
「それは当主様のお好きになさればいいかと」
なんだか私が下に出てるような気がするんだけど・・・まぁいいか。
この人は私の義父ではあるけどその前に皐月家の当主様だ。
「ふふ、雫宮が養子に来てくれてよかったよ。皐月家の次代も安泰だ。その次の代も雫宮の子供だったらきっと大丈夫だね」
そう、だろうか。
私に子供ができたとして、人間不信にならないか心配だけど・・・いや、どちらかというと人間不信の親を嫌うかだな。
「そうだ、雫宮の結婚相手についてだけど・・・」
・・・あぁ、この人は当主だった。
さっきもう一度自分に言い聞かせてたのに忘れてた。
皐月家の未来を考える当主様だ。
私がろくでもない人間と結婚しないか心配なんだろう。
勿論その心配は私の心配ではなく、皐月家の心配。
それはそうだろうけど・・・私は当主様会うのまだ2回目だし。
「ちゃんと僕がいい人を決めるか安心してね。そろそろ事実上の婚約をしようと思ってるんだ。さすがにこの年で法律上とか無理だし。っていうか法律で婚約ってあるのかな?結婚だけだったっけ」
独り言をぶつぶつと呟く当主様の前で私は静かに正座をしたまま。
虐待みたいになってるけど、別に構わない。
正座とか慣れてるし。
私はヴィラーナのメンバーとして、潜入をしたコトもある。
その時は華道顔立ちは当主様にですしの家の侍女として潜入してたから正座には慣れたものだ。
「ホントにありがとね、雫宮。時間を削ってしまった代わりになにか訊きたいことはある?できるだけ答えるよ」
当主様はニッコリと笑って首をかしげる。
その姿は毬兄と重なったけど、やっぱりどこか違う気がした。
「じゃあ・・・」
私は遠慮なく質問をするコトに決める。
「義兄たちの髪や瞳の色が全員違うのは何故でしょう?誰も当主様の色は引き継いでいませんが顔立ちは当主様似ですし。だとしたらやっぱり違和感が残りますよね」
義兄は誰一人同じ色彩をしていない。
それはなんでなのか、かんとなく予想は着くけどやっぱり確信は持てなくて。
「・・・切り込んでくるねぇ」
当主様は怒っているようには見えない。
ただ、私の質問に困ったように笑いながら・・・。
どこか、気づいた私に嬉しそうな瞳をしていた。
「説明しようか」
当主様は教えてくれるのか、少し力を抜く仕草を取る。
そして、静かに話し始めた。



