「入るね」
雫宮の部屋のドアを開けて中に入る。
わ・・・綺麗だ。
殺風景ではない程度の家具と、あと整った色。
黒でまとめられていて、少しだけ白がある。
必要最低限の家具だけど、どこか華がある外国製の家具ばかり。
あと赤色のガラスでできたバラが棚についていたり、クローゼットの取っ手に花が彫られていたり。
「ベッドはこっちだね」
奥のカーテンをめくると、黒色のベッドが出てくる。
ダブルベッドくらいの大きさで、シーツや掛布団はピンと整えられていた。
雫宮らしいな・・・。
「ドレスで眠るお姫様・・・ね」
そういえばキスで起きるお姫様の話があったっけ。
初めて読んだときはバカバカしいと思ってたけど・・・キスしたい相手ができるなんて。
「・・・お休み、雫宮」
唇は、恋人になってから奪ってあげたい。
だからせめて。
せめての思いで額と頬にキスをした。
するりと頭を撫でて髪飾りを外す。
「俺は、まだ兄にすらなれてないよね」
ただ一緒に住んでる人間。
それくらい、理解している。
「・・・俺は男だよ。雫宮を他の男に捕られて黙ってるほど大人じゃない」
俺って案外子供っぽいトコあるんだよ。
そう呟いて、俺は雫宮の部屋を出る。
さて?
葦零に事情を聴かないとね?
「・・・葦零」
リビングのソファーに膝を抱えて座っている葦零に声を掛けると。
「っ、鈴蘭か~」
一瞬肩を震わせたあと、何事もなかったかのようにニコニコと笑った。
「・・・え?」
雫宮の部屋のドアを開けて中に入る。
わ・・・綺麗だ。
殺風景ではない程度の家具と、あと整った色。
黒でまとめられていて、少しだけ白がある。
必要最低限の家具だけど、どこか華がある外国製の家具ばかり。
あと赤色のガラスでできたバラが棚についていたり、クローゼットの取っ手に花が彫られていたり。
「ベッドはこっちだね」
奥のカーテンをめくると、黒色のベッドが出てくる。
ダブルベッドくらいの大きさで、シーツや掛布団はピンと整えられていた。
雫宮らしいな・・・。
「ドレスで眠るお姫様・・・ね」
そういえばキスで起きるお姫様の話があったっけ。
初めて読んだときはバカバカしいと思ってたけど・・・キスしたい相手ができるなんて。
「・・・お休み、雫宮」
唇は、恋人になってから奪ってあげたい。
だからせめて。
せめての思いで額と頬にキスをした。
するりと頭を撫でて髪飾りを外す。
「俺は、まだ兄にすらなれてないよね」
ただ一緒に住んでる人間。
それくらい、理解している。
「・・・俺は男だよ。雫宮を他の男に捕られて黙ってるほど大人じゃない」
俺って案外子供っぽいトコあるんだよ。
そう呟いて、俺は雫宮の部屋を出る。
さて?
葦零に事情を聴かないとね?
「・・・葦零」
リビングのソファーに膝を抱えて座っている葦零に声を掛けると。
「っ、鈴蘭か~」
一瞬肩を震わせたあと、何事もなかったかのようにニコニコと笑った。
「・・・え?」



