この関係には名前がない

「あ、お詫びに木崎さんの好きそうなもの見せてあげます」

そう言って彼はゴソゴソと段ボールを漁り始めた。
もらったものに文句を言った失礼な人間に、お詫びもなにもないのに。

真下くんは地球儀にカクカクと面を作ったような形の多面体の黒い物を取り出した。

「俺が作ったテキトープラネタリウム」
「適当?」

〝?〟の浮かぶ私をよそに、真下くんは部屋の電気を消した。
そして彼が手元で「カチッ」とスイッチの音をさせると、幻想的な星空が部屋中に浮かび上がった。

「わ、きれい……」
ビールを飲みながら見上げる。

「花火が好きなら、こういうの好きだと思った」
そう。
お互いのことをよく知らなくても、なんとなくわかることもある。

「理学部だったっけ? 星にも詳しいの? 星座とか」
「全然。研究分野と関係ないし」

「え?」
「言ったじゃん、〝テキトー〟って。この星、全部俺が適当に穴あけたの」

「何それ」