この関係には名前がない

「お店に戻っ——」
「待った待った」

焦ってくるっと向きを変えた私の腕を、真下くんがつかむ。

「もう1時ですよ? 店に着いても閉まってるんじゃないですか?」
たしかにそうだ。

「とりあえず電話だけして、荷物があるかどうか確認すればいいんじゃないですか?」

冷静な真下くんのアドバイスで、かろうじて持っていたスマホで店に電話した。

閉店直前のようだったけどなんとか繋がって、私のカバンと靴があることは確認できた。
ホッと胸を撫で下ろす。

「木崎さん、今夜どうするんですか?」
「え……」

「良かったら、俺ん家で飲み直しません?」

スマホはあるんだから、連絡してタクシーででも彼氏の家に行けばいい。

なんなら近くのビジネスホテルに泊まったっていい。

だけど……