夏に願いを

僕も少し間を空けて叶居さんの隣に立って、息を吸った。

「僕は……!」

僕は、叶居さんが好きだ。
ここで叫んでしまいたい。
心臓から血液が押し出される度に、僕の体の中は好きだ、好きだ、と脈打っている。だけどそんなこと言っても困らせてしまうのは目に見えている。そもそも、部活とかの話だ。夢、目標、やりたいこと……。叶居さんは吹奏楽って言っているんだから、僕だって。

「僕は! バドミントンが好きだ!!!」
「吹奏楽が好きだ!!!」
「もっと上手くなりたい!!!」
「私ももっと上手くなって、また吹奏楽部やりたい!!!」

僕たちは夢中になって交互に叫んだ。

「もっと体力つけて思った通りにプレイしたい!!!」
「好きだ好きだ好きだーーーーー! わぁーっっ!!」
「僕も好きだ好きだーーーーー! わぁーっっ!!」