叶居さんは白いロウソクに火をつけてコンクリートにロウを少し垂らし、そこにロウソクを立てて固定した。小学校以来という割に手際が良くて、僕はなんだかマジックショーの始まりを見ているような気持ちになった。てっぺんで小さな炎がゆっくりと揺れて、これでよし、と叶居さんが満足げな目で僕を見て笑った。
並べた花火をひとつづつ手に取って、先端を炎に近づける。風にほんのりと火薬が燃える臭いが漂って、シュウ! という点火の音と同時の閃光に目が眩む。
「点いた!」
「すごい! きれいきれい!」
まだ暗くなりきってもいないのに、ものすごく眩しかった。叶居さんは綺麗と言って喜んでいるけれど、僕は目がチカチカして直視できなかった。
手の先に小さな太陽があるようだと思った。音を立てながら勢いよく燃える火薬はあっという間に短くなって消えてしまう。僕はその早さに急かされて、慌てて次の花火に火を点けた。
並べた花火をひとつづつ手に取って、先端を炎に近づける。風にほんのりと火薬が燃える臭いが漂って、シュウ! という点火の音と同時の閃光に目が眩む。
「点いた!」
「すごい! きれいきれい!」
まだ暗くなりきってもいないのに、ものすごく眩しかった。叶居さんは綺麗と言って喜んでいるけれど、僕は目がチカチカして直視できなかった。
手の先に小さな太陽があるようだと思った。音を立てながら勢いよく燃える火薬はあっという間に短くなって消えてしまう。僕はその早さに急かされて、慌てて次の花火に火を点けた。



