女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。




パーティーには、加賀見先輩のご家族が呼んだ人もやってくる。中には当然女性もいるわけで。

先に私と一緒に過ごして少しでも耐性をつけておきたいという気持ちは大いに理解できる。




『普通に言葉通りの意味なんだが……まあとにかく、当日の夕方迎えに行く。詳しい時間はまた連絡するから』


「わかりました。会社の視察、引き続き頑張ってくださいね」


『ああ』




今度こそ通話を終了させて、静かになったスマホを見つめる。

どうやら私は、自分で思っている以上に加賀見先輩と話す時間が楽しかったらしい。


画面が消えたスマホに映る私は、どこか幸せそうな顔をしている。




「よし。気分良く花火大会が迎えられるように頑張りますか」




軽く頬を叩いて気合を入れ、私は再び鬼のような宿題に立ち向かうのだった。