女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。




「瀬那はなぜか、俺が浮気しないかどうか心配しているみたいだが、俺だってその言葉をそっくりそのまま返したい」


「はい? 私は律弥先輩と違ってモテるませんからご心配なく」


「岸井累というわかりやすい不安要素がいるだろう」


「累くん? 累くんは単にああゆうノリなだけですよ。あと周りがからかってくるだけ」


「……ほら。やっぱり不安だ」




あの、なにゆえそんな大きなため息を。


なかなか肺活量あるな……という感想が浮かぶぐらい深く長いため息をついた先輩。

それでも、顔を上げて私に向けた表情は優しかった。




「不安だからこまめに帰ってこないといけないな。月に二回ぐらいは帰るか」


「それは帰りすぎです。勉強する気あります??」


「まあ、さすがにそこまでは冗談だが……夏は一緒に花火を見る約束をしたし、秋は今回一緒に回れなかった学園祭を一緒に回りたいし、冬も何だかんだ理由を付けて会いに行くつもりだ」


「あははっ、何ですかそれ」