女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。





ふーっと長く息を吐き出す。




「私、先輩からは信頼されてると思ってたんですけど。そんな大事なこと本人以外から聞くことになるなんて思いませんでした」


「だが、まだ決まったわけではないんだ」


「希望者の中でテストがあるんでしょ? でも先輩が落ちるわけないじゃないですか」




先輩のお母さんから話を聞いた後、私なりに色々と調べた。

星彩学園大学部の交換留学制度は、かなり充実している。

各国の大学と提携していて、期間も半年から丸々卒業までと様々。

ある程度の難易度の試験は課されるらしいけれど、加賀見先輩の成績なら楽勝だろう。




「ちなみに、フランスを選んだのはどうしてですか?」


「……親の会社が進出している国の中から選んだ。現地の視察をさせてもらえるよう約束したから。あと、せっかくだからまだ上手く使えない言語が公用語の国にしてみようかと思ってな」


「おお。私だったら迷わず英語が公用語の国選んでましたね」