女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。





「おお、ここが」




建物に入るなり、先輩は物珍しそうに店内をキョロキョロ見渡した。

案内されたボックス席に座ると、テーブルの上にあったタブレット端末を手にとり、「なるほど……」とうなずきながらメニューを吟味し始める。




「この端末を利用することで、これほど多い席数にもかかわらず食事時でも客は店員が来るのを待つことなく注文でき、その上聞き間違いのトラブルもなくせるわけか」


「あー、確かに」


「そして商品は基本あの愉快な音楽を鳴らしているロボットが運んで来るんだな。これで人件費の削減にも繋がる。ドリンクバーの仕組みもいいな。実際は元を取るほどの量を飲めなくても『飲み放題』とすることで客はコストパフォーマンスが良いように感じるし、店員はドリンクを用意する手間を省くことができる」




ファミレス来てそんな分析する人初めて見た。

まあ想像していた反応と違うにせよ、とりあえず楽しんでいるようなので良しとしよう。