女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。








「先輩。今からデートしましょうか」




加賀見邸を訪問した翌々日。

私は旧視聴覚室で仁王立ちで先輩を待ち構えていた。


「デート?」と首をかしげた加賀見先輩に、私は笑顔でうなずいてみせる。




「今回は『単に誰かと二人きりで出かけることを冗談めかしてそう呼んだもの』のことではなく、恋愛感情のある者同士が日時を決めて会うことを指しています」


「あ、ああ……それで、どこへ?」


「ファミレスのリベンジはどうでしょう。タクシー呼んでおいたので行きましょ」




先輩は少し表情を固くしながらも黙ってついてきた。


前回電車で出かけたときとは違い、タクシーだと先輩が見知らぬ女子にナンパされそうになることもなく大変快適だ。問題は私の財布の中身だけ。今年の冬休みはアルバイトを検討してもいいかもしれない。


──そんなこんなで、私たちは無事目的地へとたどり着いた。