先輩は「まあ、確かに」と呟いて腕を組む。
そして首をかしげる。
「いやでも普通、お互いに『好きだ』と伝え合ったら自動的に交際が開始するものではなかったのか?」
「そ、そうなんですか?」
「……わからない」
再び沈黙が降りた。
恋愛経験が乏しすぎる二人で答えを出そうとしているのがそもそも間違いなのかもしれない。
加賀見先輩は一つ咳払いをして立ち上がった。
そして部屋の隅の勉強机の前に行くと、先ほどのジュエリーブランドのものに比べると数段低コストに見える紙袋を持ってきた。
「あー……川咲、誕生日おめでとう。女子の友人なんて初めてだから何を渡せばいいか迷ったんだが、これなら余分にあっても困らないだろうと思ってな」
プレゼントのやり直しが始まった。
とりあえず受け取って開けてみると、こちらも有名ブランドではあるがそこまで高価ではないタオルハンカチが入っていた。



