女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。




私の好きなものを覚えていてくれたのは純粋に嬉しいけれども。

こんなものもらって、同価値のものを返せるわけがない。


ぐっと唇を結んだ先輩は、それでも反論の言葉を口にする。




「友人相手にだったら確かにジュエリーなんて贈らないかもしれないが……付き合っている相手に贈るのは別におかしくないんじゃないか……?」


「恋人同士でも高校生はもうちょい身の丈に合った物を贈ると思います! 同じアクセサリーでもせめて雑貨屋さんで売ってるお手頃のやつとか、あと……」




浮世離れしている御曹司に一生懸命庶民的感覚を説いていた私だったけれど、途中でふと違和感を覚えた。

何に違和感があったのだろう。一度言葉を飲み込んで、ゆっくり先輩に言われたことを反芻させる。

……。

えっと。ん?




「あの、先輩」


「ど、どうした?」


「私たちって……付き合ってるんですか?」




私が慎重なトーンでそう言うと、あたりがしんと静まり返った。