女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。





私の母は、よくおしゃれな店のショッパーは残しておいて、誰かに手土産を持っていくときにそれを再利用したりしている。「中身は違う店なのよ~」なんて笑いながら。

だから、これもそういうパターンの可能性もある。というかそうであってくれ。

私は恐る恐る袋の中に手を入れ、中身は取り出す。


出てきたのは黒光りするそこそこ頑丈な箱。表面には、ばっちりショッパーと同じブランド名が刻まれていた。

……祈りは、通じなかった。


私は静かに箱を戻し、ショッパーを先輩に押し返す。



「もらえませんよこんなの!」


「ど、どうしてだ!? 気に入らなかったのか!? 川咲が前にウサギが好きだと言っていたからうさぎモチーフのものを選んだんだ、せめて中身を見てから……」


「そんなことよく覚えてますね!? でもそういう問題じゃなくて、普通の高校生は友達同士で誕プレを送り合うときこんな超高級ブランドジュエリーなんて贈らないんです!」