女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。




紅茶というよりジュースでは? と思うぐらいに甘い、飲みなれたインスタントのフルーツティーの味。

普段は高級茶葉の紅茶ばかり飲んでいるであろう先輩の口にこそ合わないのではと思ったけど、何やらそわついた様子で、そもそもティーカップに手を伸ばそうとすらしなかった。



「加賀見先輩。落ち着かないんですけど」


「わ、悪い……。その、川咲。やっぱり先にプレゼントを渡してもいいか?」


「あ、はい」




そわそわしていた原因は、早くプレゼントを渡したかったかららしい。子どもみたいでちょっと面白い。

私はそう思って笑いを堪えていたけれど、面白いと思えたのはそこまでだった。


先輩から手渡されたのが、私のような高級品なんて縁のない庶民女子高生でも知っているジュエリーブランドのショッパーだったからだ。




「はい? ナンデスカ、コレハ……」


「だから誕生日プレゼントだ。開けてみてくれ」