女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。




先輩の部屋に一人残された私は、とりあえず革張りのソファーに腰かけた。

三人は楽に座れそうなソファー、普段から一人で使ってるのだろうか。もったいない。

落ち着かない気持ちでキョロキョロと部屋を見渡していると、十分ほどしてようやく先輩が戻ってきた。

手にはティーカップとお茶菓子の乗ったトレー。




「悪い、紅茶の淹れ方がよくわからなかったから粉を溶かすタイプのやつにしてしまったんだが……口に合うだろうか」


「全然良いです。家ではインスタントがデフォなので。むしろ落ち着く味をありがとうございます」



トレーを大理石調のテーブルに置き、先輩は私の隣に座った。



「ああ、えっと……模試の過去問を見たいんだったか? あ、その前に誕生日プレゼントを……。いや、先に紅茶を飲んでからか?」


「時間はあるので順番にお願いします」



どうやら緊張で落ち着かないのは先輩も同じらしい。

その事実に少し安堵しつつ、私はティーカップに手を伸ばす。