女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。




ふわふわとした幸せな気持ちをゆっくりと噛み締めた私は、何の気なしに窓の向こうに目をった。


そこには、まだまだ盛り上がり続ける学園祭と浮足立った生徒たちの様子が見える。

喧噪は遠くて、この静かな保健室はまるで全く別の世界のようだ。




「先輩。私もしばらくここにいていいですか?」


「ああ」




切り離された別世界に二人。

溜め込んだ気持ちを一気に解放し、生まれた熱はまだまだ冷めそうになくて。


それが、今の私にはたまらなく心地良かった。