俺は川咲以外を好きにならない。
それは、裏を返せばつまり──。
声を発せないまま考え込んだ私は、騒ぎ立てる心臓を押さえ、一度冷静になろうと奥歯を噛み締めた。
……だって。いくら何でも、私が告白を決意したこんなタイミングで。あまりにも都合が良すぎる。
自分がそういう色恋的なことを考えていたから、全然違う言葉をそんな風に拾ってしまった可能性が高いかも。うん。きっとそう。だから落ち着け自分。
だけど加賀見先輩はさらに言葉を続けて、どうにか冷静になろうとする私の努力を当然のように無に帰してくださった。
「気が付けば彼女のことばかり頭に浮かんできて、俺の知らないところで別の男に笑顔振りまいてるって考えるだけで、嫉妬でどうにかなりそうなんだよ。……こんな厄介な感情、そう簡単に他の相手に向けられるわけがないだろ」
先輩が言葉を発するたびに、体温が上昇していくのがわかる。
……ああもう。 何なのこれ。もしかしてまた夢でも見てるのだろうか。
朝嫌な夢見てた分の埋め合わせ的なことですか?



