もし今後、川咲と同じように女子でありながら恐怖を感じない相手が現れたら、その人にも同様の恋愛感情を抱くのではないか。
とっさに答えることはできなかった。そんなこと考えたこともなかった。
だけど冷静に考えたら答えは決まりきっていた。
俺が、川咲以外を好きになることなんてありえない。
しかしそう思うのは直感的なものであり、そう断言できる理由までは自分でもよくわからない。岸井を納得させられる理由付けなんて思いつくわけがなかった。
何とかこの感覚を上手く説明できないものか。
……考えるうちに、今度は眠気が襲ってきた。
学園祭前は特に忙しくて、ここ数日睡眠時間が普段より少なくなっていたせいだろう。俺は無理に抗うことなく目を閉じた。
ぼんやりと意識はあるが、半分眠っているような……そんな状態のまま、いくらか時間が流れる。
そのうちに保健室の扉が開けられる音がした。忍ばせた足音と人の気配が近づいてくる。
岸井が戻ってきたらしい。
一応起き上がろうと思ったのだが、身体が重くて言うことを聞かない。



