女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。




旅行中散々一緒に過ごした私は、別れるのを泣くほど嫌がった。

困り果てた私の親を見て、その男の子は手紙を書くと言ってくれた。

その後本当に彼は手紙をくれて、そのままかなり長い間手紙のやり取りが続いていた。返事がこなくなってしまったのは、三年ほど前。




「もしかして……(るい)くん?」




記憶にあった名前を恐る恐る口にすると、彼はまた嬉しそうに口角を上げる。




「正解。良かった、覚えててくれて」


「ま、まあ……覚えてはいるけど……」


「手紙、全然返せなくてごめん。三年前からニューヨークに留学してて、思うように時間が取れなかったんだ。でもオレ、瀬那のこと忘れたことない」


「あ、え……えっと……どうも」




いったいどんな反応をしろと。

目を白黒させる私の手に、累くんはそっと……唇を落とした。




「ずっとずっと会いたくてたまらなかったよ、大好きな瀬那。今日からは同級生だよ。よろしくね」