心配性な彼らのことだ。
きっと護衛だとか何とか言って、自分の腹心たる精霊を大量に贈り込んでいるに違いない。
⦅当然よ。あなた一人で悪の巣窟に行かせるもんですか⦆
きっとそう言いながら胸を張って踏ん反り返っているでだろう光景が浮かぶ。
相手を敵と認識したら途轍もなく残酷に冷酷になるのに、自分の気に入ったものにはどこまでも甘いのは、彼らが精霊王故か。
風・土・水・火の四属性の精霊には頂点に立つそれぞれの精霊王がいる。
今でこそ精霊は伝説上の、物語にしかいない存在とされているが、ほんの100年程前までは人間と精霊は契約を結び上手く共存していた。
精霊と契約を結ぶことで自分の魔力を最大限引き出し、魔法という形にして身を守る術を精霊は人間に伝授していたのだ。



