*** 「それじゃあ、今日は席替えをするぞー」 朝のHRの時間。佐藤先生が放った一言に、教室内は一気に騒めきだす。 「マジかよ~。おれこの席気にいってたのに」 「次も近くになれるといいね!」 クラスメイト達のおしゃべりを耳に入れながら、私の意識は隣の席に座っている宇佐美くんに一直線に向いていた。 そっと右隣を窺えば、宇佐美くんも私のことを見ていた。 視線を合わせたまま、何を話したらいいのか分からなくて黙っていれば、宇佐美くんは柔らかく微笑む。