言葉の棘をグサグサ突き刺してくる我流に少しイラつきながら、俺はなみ縫いの真似。


 「はぁぁぁ、唯都とまともに会話すると、こっちがダメージ食らうんだったわ」


 「お疲れさま」


 「ちょ、オイ! そっぽ向いて寝ようとするな!」


 「我流も目と口を閉じたら?」


 「話し戻すけど、あの女――」


 「神楽さん!」


 「唯都のこと様づけして、敬語使って、明らかオマエの顔色うかがってるよな?」


 「それは俺の方が年上だからでしょ? 我流は何が言いたいの?」


 「アルファに逆らえないベータにしか、見えないって言ってんの」


 「琉乃ちゃんはオメガだよ!」



 興奮で冷静さを欠いているのだろうか。

 寝ているメンバーへの配慮なんて、まったく湧かない。

 声が強めに放たれ、言い合いの熱が上がってしまう。

 それは目を吊り上げた我流も同じ。