「……先輩、猫被ってますよね」
「???猫?被ってないよ?」
「私の前ではかわいこぶってるでしょう」
「なになにどうしたの?」
「先輩がかわいいなんてまやかしだ」
「あのね、そもそも僕はかわいくないの。
カッコいいって言われたいもん」
わかりやすく目つきをキリッとさせる先輩。
ほら、その顔。
ぜんぜん怖くない。似合わない。
「羽生先輩は怖くてかわいい」
「え?!怖いことなんて言った?」
「あなたも大抵無自覚」
「うぅ悲しいよ。大好きな子からまったく男として見てもらえないよ」
「とってもおちゃめな男性ですよ」
「おちゃめだなんてやだよ。
僕はもっとカッコよくて男前で頼れるムキムキな…」
「そんな願望あったんだ…」
ゆっくりゆっくり
出口に向かって歩いていく。
オレンジ色の空の下にはなにが待っているのだろう。
「ていうか先輩って、モノ蹴ったりするんですね。初めて見ました」
「体育でサッカーボールなら蹴ったことあるよ」
「へぇ…イメージ湧きません」
「まぁ僕はだいたいキーパーなんだけどね。デカイから立ってろって押し付けられちゃう」
「俊敏にボール止める姿も想像つきませんね」
「もー、僕のこと亀だとでも思ってるの?」
「先輩は大型犬ですよ」
「わんちゃん?」
あっけらかんと続く、くだらない話。
こんなやりとりをしながら
私たちは2人で永遠を過ごしていくのかな。



