すると、繋がれていた手元の温もりが消えた。
目の前に羽生先輩の大きな背中が立ちはだかる。
「せんぱい?」
呼んだら必ず返ってくる声は、どこにもなくて。
刹那
長い脚が、ロウソクを蹴り上げた。
「え、」
一瞬で竹林の奥深くに飛んでいったロウソク。
私たちを責めるような轟音が、ぴたりと止んだ。
おとずれる静寂の中で呆然とする。
な、
「なにしてるんですか」
蹴った、先輩が、物を蹴った。
いやいや注目すべき点はソコじゃないのはわかってるけど、でも
優しさの擬人化みたいな先輩が、乱暴になにかを蹴るだなんて、予想外すぎて
「これで僕も永遠ちゃんと同罪だね」
にっこりと、満足そうな顔でこちらを振り返る羽生先輩。



