その時、背後に気配を感じた。



「?」



振り返る。




1本、ロウソクが立っていた。




ひときわ大きな炎が、風もないのに波打っている。


どういうことなのか。
ついさっきすべての炎は潰えたはずなのに、なぞの復活を遂げている。


いや、復活というか



「いつ置いたの…?」



ぽろりとこぼれた私の言葉に反応するように、竹林が轟音を立てて揺らめいた。


風はない。
ないのに、まるで生きているかのように1本1本が暴れている。


恐怖が足もとから這い上がってくる。



声なんて聞こえないけど


"これが最後の慈悲だ"


そう言われている気がした。



唸る竹林、激しく燃える炎。
異様な雰囲気に支配された空間に、思考が黒く塗り潰されていく。