「あ、永遠ちゃん見て!」



先輩が前方を指さした。


いつのまにかうつむいていた視界を持ち上げれば、道が二手に分かれている。


Y字路というやつだ。


右手には先ほどと変わらない閑散とした道。


左手には竹林へと続く道。


はじめて遭遇する、大きな風景の変化だ。



「不思議だねぇ。
どちらに行こうか…って永遠ちゃん?!」


「左です。左に行きましょう」



秒速で左の道に踏み込んだ。


オレンジ色は姿を消し
影の濃い緑に囲われる世界に様変わりする。