「ねぇ、永遠ちゃん」
「はい」
「この空は朝焼けだと思う?
それとも夕焼けだと思う?」
羽生先輩らしいふんわりとした質問だった。
あらためて空を見上げる。
透明感のあるオレンジ色。
眩しさはなく、ずっと眺めていられる。
「…どちらにも見えるからいいんじゃないですか」
答えになっていなくてすみません、そう続けて、果てしなく続く道に視線を戻した。
「そっかぁ。どうしてそう思うの?」
「よくこんな曖昧な答えに食いつきますね」
「永遠ちゃんの考えは全部知りたいからね」
大きな瞳をキラキラとさせている先輩。
空のオレンジが反射してとても綺麗だ。



