「汚くない。きみほど綺麗な存在はこの世界にいない」
教会の白いタイルを汚す真っ赤な血の海に、先輩が躊躇なくその綺麗な手を浸していく。
血が付着した指先をじっと見つめると
あろうことか口にくわえてしまう。
垂れぎみの瞳が私をとらえる。
見せつけるように上下する喉仏にぞくりとした。
「僕は永遠ちゃんが思うほど綺麗じゃないよ」
「……」
「きみが吐いた血すら、僕の一部にしたくてたまらない」
「……」
「いま、それができて……震えるほど興奮してるんだ」
濁った双眸は、欲に歪んでいた。
信じられなくてかぶりを振る。
羽生先輩は困ったように笑った。



