すごい。
やっぱり、考人の言葉って、人を笑顔にする魔法を持っている。
考人たちが隠している真実。
今は何も分からないけど、少しでも追いつけるように。
明日もきっと、いい日になるように。
少しでも考人に届くように、明日も頑張ろう。
(だけど、今はもう少しだけ、このままふわふわしたまま、小さな幸せに胸をふくらませていたい)
ブランコをゆらゆらと揺らしながら、あたしは澄んだ空を見つめていた。
*
通谷くんたちに導かれて、いろいろなアスレチックを楽しんだ後。
公園の広場で、班ごとにお昼ごはんを食べることになった。
あたしと考人は、通谷くんたちと一緒に、広場の隅に場所をとってお弁当を広げる。
「うわあっ! 考人のお母さんが作ったお弁当、すごい!」
「……杏のお母さんが作ったお弁当もすごいね」
いつものぶっきらぼうな言葉が、今はあたしを強くしてくれる。
「んーっ! おいしい!」
お弁当を食べながら、周りを見渡す。
周りのみんなも、スタンプラリーの話で盛り上がっている。
お弁当を食べ終わったら、公園でスタンプラリーが行われる予定だ。
だけど、この公園、かなり広いから、どこにスタンプがあるのか分からないよ。
わくわくする感情の背後には、いつも不安がつきまとってくる。
それなのに……。
それでも一番にゴールしたいと思ってしまうのは、考人が同じ班だからだと思う。
「結菜。スタンプラリーが始まったら、すべり台、行こ! さっき、先生がそこにいるのを見たよ!」
「えー、マジでー!」
ざわめく広場の中心から、甲高い声が聞こえてくる。
瞬き一つで世界の色を変えるように、結菜の表情は様々な感情を乗せていた。
それが女の子らしくて可愛らしいと感じてしまう。
「行こ行こ、楽しみー」
結菜は仲のいい友達と楽しげに話しながら、お弁当を食べていた。
どうやらすべり台の近くに、スタンプが置いてあるみたい。
だったら、すべり台に行かなくちゃ!
あたしはがぜん、やる気を出す。
お弁当を食べ終わった後、しばらくしてからスタンプラリーが始まった。
「よっしゃー、張り切って行くぜ!!」
「うん! まずは、結菜たちが言ってたすべり台!」
通谷くんを先頭に、あたしは歩き始めた考人の隣に並んで歩く。
ブランコを通りすぎて、目的のすべり台に向かう。
季節はもうそろそろ、夏から秋の兆しを見せていて少し寒い。
やっぱり、考人の言葉って、人を笑顔にする魔法を持っている。
考人たちが隠している真実。
今は何も分からないけど、少しでも追いつけるように。
明日もきっと、いい日になるように。
少しでも考人に届くように、明日も頑張ろう。
(だけど、今はもう少しだけ、このままふわふわしたまま、小さな幸せに胸をふくらませていたい)
ブランコをゆらゆらと揺らしながら、あたしは澄んだ空を見つめていた。
*
通谷くんたちに導かれて、いろいろなアスレチックを楽しんだ後。
公園の広場で、班ごとにお昼ごはんを食べることになった。
あたしと考人は、通谷くんたちと一緒に、広場の隅に場所をとってお弁当を広げる。
「うわあっ! 考人のお母さんが作ったお弁当、すごい!」
「……杏のお母さんが作ったお弁当もすごいね」
いつものぶっきらぼうな言葉が、今はあたしを強くしてくれる。
「んーっ! おいしい!」
お弁当を食べながら、周りを見渡す。
周りのみんなも、スタンプラリーの話で盛り上がっている。
お弁当を食べ終わったら、公園でスタンプラリーが行われる予定だ。
だけど、この公園、かなり広いから、どこにスタンプがあるのか分からないよ。
わくわくする感情の背後には、いつも不安がつきまとってくる。
それなのに……。
それでも一番にゴールしたいと思ってしまうのは、考人が同じ班だからだと思う。
「結菜。スタンプラリーが始まったら、すべり台、行こ! さっき、先生がそこにいるのを見たよ!」
「えー、マジでー!」
ざわめく広場の中心から、甲高い声が聞こえてくる。
瞬き一つで世界の色を変えるように、結菜の表情は様々な感情を乗せていた。
それが女の子らしくて可愛らしいと感じてしまう。
「行こ行こ、楽しみー」
結菜は仲のいい友達と楽しげに話しながら、お弁当を食べていた。
どうやらすべり台の近くに、スタンプが置いてあるみたい。
だったら、すべり台に行かなくちゃ!
あたしはがぜん、やる気を出す。
お弁当を食べ終わった後、しばらくしてからスタンプラリーが始まった。
「よっしゃー、張り切って行くぜ!!」
「うん! まずは、結菜たちが言ってたすべり台!」
通谷くんを先頭に、あたしは歩き始めた考人の隣に並んで歩く。
ブランコを通りすぎて、目的のすべり台に向かう。
季節はもうそろそろ、夏から秋の兆しを見せていて少し寒い。



