「暖さんの声、凄く素敵ですね」
「……だろ?あんなガラガラ声が地声だと思われてたら、マジで泣く」
「フフフッ。……体は大丈夫なんですか?」
「……ん、大分ね」
「今日はどうしてここに?」
「今日学校の創立記念日で休みで、明日明後日と土日で休みだから」
「……会えて嬉しいです」
「俺も、ずっと会いたかった」
電車が来るまでの間、駅のホームで。
冷房が効いてる電車内で。
駅から自宅までの道のりでもずっーと話していた。
「明日のバイトは何時から?」
「14時です」
「じゃあ、10時くらいに待ち合わせして、一緒にご飯でも食べようか」
「はいっ!」
「話しておきたいこともあるから」
「……へ?」
「そんな顔しないでよ。決して悪い話じゃないから」
「……はい」
話って何だろう?
途端に不安になって、心臓が騒がしくなる。
あっという間に自宅に着いてしまった。
話したいことはまだまだあるのに。
「じゃあ、明日の10時に、……どこで待ち合わせる?俺が迎えに来ようか?」
「とんでもない!私が行きます!!」
「フッ……どこに?」
「……指定された場所に?」
「じゃあ、ピアノの所に10時で」
「はい」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
来た道を戻っていく彼の後ろ姿。
1年前よりもカッコよく見えるのは、彼のことが1年前よりももっともっと好きになってるからかな。



