手を繋いで、君と前を向く。

「最近てめぇが相手してくれねぇから暇でよ。てめぇより強いヤツこの辺にいねぇんだわ」

「知らねぇよ。何回も言ってんだろ。俺はもうケンカしねぇって」

「はいはい。わかったからちょっとツラ貸せよ」

「行かねぇよ」


ケンカはもうしない。そんな俺の言葉を、こいつは全く信用することなくどこかに連れて行こうとする。

それを断るとピクリと眉が動いて、こいつがキレかけているのがわかる。


「……てめぇにケンカ売っても買わなくなったって聞いて最初はビビっちまったのかと思ってたよ。それが病院に出入りしてるって?はっ、大好きなママのお見舞いでちゅかあ?」

「うるせぇ。仮にそうだとしたらなんなんだよ」

「いやあ?九条も堕ちたもんだなあと思っただけだ。病院だけじゃなくてこんなところに毎日のように通って、何を願ってんのかねぇ?」

「てめぇには関係ねぇよ。もういいだろ。俺は帰る」

「……ふざけんなよ?」


俺の肩に腕を回す男は、気持ち悪い笑みを浮かべながら俺の顔に自分の顔を近づけてくる。

それにため息をついて、ヤツの腕を抜いて距離を取った。