「……そんな強く擦ったら、赤くなる」
「え……」
擦る手を止めて、そっと指で涙を拭ってくれる。
その指が優しくて、瞬きをした時に見えた九条くんの顔もすごく優しくて。
その優しさと近さにびっくりして、息が止まるかと思った。
「何強がってんだよ。泣くの我慢すんなよ。怖いの我慢すんなよ」
「っでも」
「"わたしなんか"じゃねーよ。自分のこと下げてんじゃねーぞ」
「……」
「入院に慣れてたって、病気は怖いに決まってんだろ。白血病がどんなもんかなんて俺は全然知らねーけどさ……。でも、泣くほど不安なんだろ。自分でも気付いてないくらい怖いんだろ。当たり前のことを我慢しようとすんな。無理して笑おうとすんな。"わたしなんか"なんて言うなよ」
「九条くんっ……」
「怖いのが当たり前なんだよ。病室に一人で、病気と向き合って。戦って。寂しいし不安になるのが当たり前なんだよ。俺は病気のことなんてわかんねーし、潮路の気持ちの全部を理解することなんてできない。だけど、話を聞くことはできる。潮路の怖いとか不安とか、そういう気持ちを知ることはできる。寄り添うことくらいは俺にだってできる。……悪かった。謝るから。関わるななんて、もう言わないから。だから、もう強がんなよ……」
ついに涙が溢れて止まらなくなった。
「え……」
擦る手を止めて、そっと指で涙を拭ってくれる。
その指が優しくて、瞬きをした時に見えた九条くんの顔もすごく優しくて。
その優しさと近さにびっくりして、息が止まるかと思った。
「何強がってんだよ。泣くの我慢すんなよ。怖いの我慢すんなよ」
「っでも」
「"わたしなんか"じゃねーよ。自分のこと下げてんじゃねーぞ」
「……」
「入院に慣れてたって、病気は怖いに決まってんだろ。白血病がどんなもんかなんて俺は全然知らねーけどさ……。でも、泣くほど不安なんだろ。自分でも気付いてないくらい怖いんだろ。当たり前のことを我慢しようとすんな。無理して笑おうとすんな。"わたしなんか"なんて言うなよ」
「九条くんっ……」
「怖いのが当たり前なんだよ。病室に一人で、病気と向き合って。戦って。寂しいし不安になるのが当たり前なんだよ。俺は病気のことなんてわかんねーし、潮路の気持ちの全部を理解することなんてできない。だけど、話を聞くことはできる。潮路の怖いとか不安とか、そういう気持ちを知ることはできる。寄り添うことくらいは俺にだってできる。……悪かった。謝るから。関わるななんて、もう言わないから。だから、もう強がんなよ……」
ついに涙が溢れて止まらなくなった。



