腕を掴まれ動きを封じられたアデーレは、ダニエル殿下に助けを求めたけど、彼は彼女の豹変についていけないで、なにも言えずにいた。いや、戸惑っているのは私たちもなんだけど……
「わたくしはこの国の国母になるのよ! 離しなさい!」
「頭を冷やせるところへ連れていきなさい。そうね、塔の最上階なんていかが?」
デイジーさまは扇子を広げて口元を隠し、淡々とした口調でそう伝えると、オイゲン陛下に視線を移す。陛下が「王妃の言う通りに」と一言告げると、護衛たちはジタバタと暴れるアデーレを引きずるように去っていく。
私がこの国にいないとイベントが発生しないって、どういうこと……?
「ダニエル、アデーレ・ボルクはお前に対してもあのような態度を取っていたのか?」
確認するように、オイゲン陛下が尋ねた。
ダニエル殿下はふるふると弱々しく、首を横に振る。
呆然としているように見えるのは、気のせいではないだろう。
「女の裏側を知らないとは、情けないわね」
なにを知っているのでしょうか、デイジーさま。
呆れたような視線を受けて、ダニエル殿下はうつむいてしまった。
「わたくしはこの国の国母になるのよ! 離しなさい!」
「頭を冷やせるところへ連れていきなさい。そうね、塔の最上階なんていかが?」
デイジーさまは扇子を広げて口元を隠し、淡々とした口調でそう伝えると、オイゲン陛下に視線を移す。陛下が「王妃の言う通りに」と一言告げると、護衛たちはジタバタと暴れるアデーレを引きずるように去っていく。
私がこの国にいないとイベントが発生しないって、どういうこと……?
「ダニエル、アデーレ・ボルクはお前に対してもあのような態度を取っていたのか?」
確認するように、オイゲン陛下が尋ねた。
ダニエル殿下はふるふると弱々しく、首を横に振る。
呆然としているように見えるのは、気のせいではないだろう。
「女の裏側を知らないとは、情けないわね」
なにを知っているのでしょうか、デイジーさま。
呆れたような視線を受けて、ダニエル殿下はうつむいてしまった。



