きゃっとはしゃぐように頬に手を添えて、顔を真っ赤にさせた。本当に、お父さまのことが好きなのね。
「それで、この国でお父さまと暮らすようになったわけなんだけどぉ……やっぱり文化の違いや話し方の違いってあるじゃなぁい? いろいろあったし、お父さまを狙う人って結構多かったのよねぇ。女同士の戦いが始まったけれど、お父さまはお母様のことをとっても! 大事にしてくれたのよぉ!」
私の肩をバシバシと叩く。照れ隠しなのかもしれないけれど、地味に痛いです、お母さま……
「人を好きになるって、自分の醜い感情とも向かい合わなくちゃいけないけれど、それ以上に、世界がキラキラして見えるのよぉ。あの人に見合う自分になりたいって努力することも苦じゃないの」
お母さまが私を見て、そっと手を伸ばし、頭をくしゃりと撫でた。
その撫で方がとても優しく、労わるようで……ぐっと胸になにかかが込み上げ来るのを感じる。
「――あなたが恋をできて、良かったわぁ」
「……え?」
「ずっと、無理をしていたでしょう? ダニエル殿下の婚約者になってから、その身分に負けないようにって。背伸びをするのは悪いことではないけれど、あなたが苦しんでいるように見えたの。それに、エリカの努力も知らずにのうのうと過ごしているダニエル殿下には、エリカを任せられないわぁって、前々から思っていたのよぉ?」
「それで、この国でお父さまと暮らすようになったわけなんだけどぉ……やっぱり文化の違いや話し方の違いってあるじゃなぁい? いろいろあったし、お父さまを狙う人って結構多かったのよねぇ。女同士の戦いが始まったけれど、お父さまはお母様のことをとっても! 大事にしてくれたのよぉ!」
私の肩をバシバシと叩く。照れ隠しなのかもしれないけれど、地味に痛いです、お母さま……
「人を好きになるって、自分の醜い感情とも向かい合わなくちゃいけないけれど、それ以上に、世界がキラキラして見えるのよぉ。あの人に見合う自分になりたいって努力することも苦じゃないの」
お母さまが私を見て、そっと手を伸ばし、頭をくしゃりと撫でた。
その撫で方がとても優しく、労わるようで……ぐっと胸になにかかが込み上げ来るのを感じる。
「――あなたが恋をできて、良かったわぁ」
「……え?」
「ずっと、無理をしていたでしょう? ダニエル殿下の婚約者になってから、その身分に負けないようにって。背伸びをするのは悪いことではないけれど、あなたが苦しんでいるように見えたの。それに、エリカの努力も知らずにのうのうと過ごしているダニエル殿下には、エリカを任せられないわぁって、前々から思っていたのよぉ?」



